しんやさとしの綴記

就活に失敗し、理系院生となった僕が、web企業に文系就職する話と、してからの話。就活生はsiiniusという就活支援サイトもご覧あれ。

100%の力でコミットしたら過労死しちゃうじゃんて話

 

2017年7月 東京都田町 某所

そこではとある学生向けの自己啓発セミナーが開かれ、担当の講師が仕事への向き合い方について演説していた。

 

「え〜、このテーマについて話させてもらいますと、

 

私は、100%未満の力で仕事に取り組むことは絶対にありません!

 

80%でも、99%でも駄目なんです。

100%です!

 

例として、みなさんを思い浮かべてみてください。

 

水は、100度と99度で状態が違いますね。

 

100度なら水蒸気になれますが、99度以下ではあくまで水のまま。

 

100と99には、こんなに大きな差があるんです!

 

仕事でも一緒。100%でやるのと99%でやるのじゃ状態が違います!

 

みなさんが本気で何かをするのであれば、必ず100%の力でやりましょう!そして、〜」

 

話を聞き、なるほどとうなずいて、しきりにメモを取る学生達。

 

しかしその中で唯一、メモなど取らず、悠然とした態度でその話を聞いている男がいた。この僕だ。

 

(ククク、まぁなんというか、勘違いもいいところ。。)

 

講師に気づかれないまま、心の中で僕は呟く。

 

(水が100度と99度で状態が違う?だから100%を目指せ?

 

はっはっは。違う違う。物事の捉え方が全然違うよ。

 

100度と99度の違いが水蒸気と水なんじゃない。水蒸気と水の違いが100度と99度なんだ。

そもそもこれが、温度の定義

 

水が氷になる時を0度、水蒸気になる時を100度として、それを100等分したのが温度ってだけ。

 

だから100度と99度の違いを論じられても、それ要因じゃなくて結果の方なのだよ。

 

まぁとはいえしかし、この男なかなか上手い語り方をする。

 

例を挙げての説明、自信ありきの断言、感情の込め方、どれもなかなかに上手い。

ここは素直に、見習いたいところだ。

 

だがしかし本当に100%の力でコミットなんてできるのか?

 

100%ってなんだ?過労死か?

 

いや仮に「健康な状態を保ちながら出せる最高の力」を100%としたとして、ほんとにそんなことできるのか?いやでき〜)

 

そんなことを考えているやいなや、僕は講師から急に名指しされた。

 

「ちなみにしんや君は、これまででこれは100%頑張ったなー!という経験はありますか?」

 

「え、あ、はい!え〜、そ、そうですね〜、、」

 

(な、なんだこの人!急に名指ししてきた!ややばいなんも考えてなかった!)

 

「え〜、、最近だと就活?が、結構、頑張りましたね!インターン参加したり、OB訪問したり!」


「おお、就活!いいじゃん!じゃあ、しんや君的にはその就活はうまくいったんだ!」


「はい、ただ、100%頑張ったかっていうとどうなのかよくわからないです、、」

 

「そうかそうか、でも目標通りの会社に行けたんでしょ?じゃあいいんじゃない?

 

「え、あ、はい。いいんですかね、いやいいとは思うんですけど、、」


「うんうん、目標達成したならいいよ!結果が一番!僕が言った、100%かどうかってのは、目標達成できなかった時の話。

 

目標達成できなかった時に、自分が100%じゃなかったら、言い訳できちゃうじゃん。あそこが足りなかったからダメだったんだなって。

 

でも本当の原因は、もっと別のところにあるかもしれない。100%じゃなかったら、それがわからなくなる。

 

だから全力でやる方がいいんだよ。言い訳じゃなくて、プラスαについて考えられるから!」

 

(ほおお、、)


気づけば僕はなるほどとうなずき、しきりにメモを取っていた。

 

(ふっ、どうやらこの人は僕が思っていた以上の大物らしいな。)

 

 

 

(、、あれ、でも結局100%って過労死のような、、、)

 

 

 

頭をよぎった疑問を無視し、僕はペンを走らせた。